こんにちは。ニクです。
海外FX業者の GemForexで運用しているUSD/HKDのスワップ損なし両建て取引について、解説していきます。

USD/HKDという通貨ペアについて
この取引方法を説明する前に、まずはマイナー通貨ペアであるUSD/HKD(香港ドル)を理解していきましょう。
香港ドルはドルペッグ制が用いられており、7.75~7.85香港ドル=1米ドルと定められています。
香港ドルの為替レートを、基軸通貨であるドル円の為替レートに固定して連動させる制度です。マイナー通貨は変動が激しく不安定に陥りやすいため、固定相場制を用いることで海外の投資家が取引しやすくした仕組みです。
固定相場制をとることでドル円に連動しつつ、7.75~7.85の間で値動きをするため、大損するリスクが低く原資も少なくて済みます。
下記はUSD/HKDの過去10年間のチャートです。
見事に7.75~7.85の間で値動きをしていますね。
なぜ海外FX業者のGemForexを使うのか
為替の取引では「ロングはプラススワップ、ショートはマイナススワップ」あるいは「ロングはマイナススワップ、ショートはプラススワップ」となり、片方では必ずマイナススワップがつくのが基本です。
しかしながら、GemForexではドル円・ユーロドル・香港ドルの3通貨ペアがロング、ショートともにプラススワップという設定がされています。
通貨ペア | ロング時のスワップポイント | ショート時のスワップポイント |
ドル円 | 0.21300 | 0.28700 |
ユーロドル | 0.24700 | 0.25300 |
香港ドル | 0.10000 | 0.30000 |
一方に為替が変動した場合、長い期間ポジションを保有し続けることも考えられます。その時にマイナススワップが溜まっていくばかりだと精神的に耐えられません。
USD/HKDの取引をするなら、 GemForex一択です。



USD/HKDの設定をどうするか
最初はトラリピのようにハーフ&ハーフで取引することを考えていましたが、香港ドルは7.75~7.85の間で動くので両建ての方が有利であることに気づき、注文間隔や利確幅を変更しながら幾度もバックテストを繰り返しました。
下記は2017年1月1日~2019年12月31日の間に、原資100万円でUSD/HKDを両建てした場合のバックテスト結果です。
最大ドローダウンも低く、順調に利益を伸ばしています。
グラフの最後に損失が出ているのは、2019年12月31日にすべてのポジションを利確あるいは損切りしたことになっているためです。
上記のバックテストを基準にして下記の両建て設定で運用することにしました。
利確幅を広げると約定の機会が減って利益が出ない日もありますが、トータルの利益は上がります。トレールあり、トレールなしでは利益に10%程の差が生じたので「トレールあり」を採用することにしました。
注文種別 | ロング(買い) | ショート(売り) |
仕掛けレンジ | 7.75~7.84 | 7.76~7.85 |
ロット | 1万通貨(0.1lot) | 1万通貨(0.1lot) |
注文間隔 | 5pips | 5pips |
利確幅 | 40pips | 40pips |
決済トレール | あり | あり |
トレール幅 | 1pips | 1pips |
2月20日のUSD/HKDが急騰した際にトレールが効かず、利確ラインを超えて下げに転じた時も利確されないという状況が発生しました。この原因はVPS環境・GemForexの注文遅延・千刻EAの訂正遅延などの理由が考えられますが、正確には判明していません。VPSの負荷が高い場合はトレールを切った運用をおすすめします。
さて、次は実際の取引手順を見ていきましょう。
GemForexで行うUSD/HKDの両建て取引の手順
どのような準備・設定が必要なのか、実際の流れで説明していきましょう。
GemForexの口座開設を行う
GemForexの口座開設を行いましょう。
口座開設フォームの「口座タイプ」は「日本口座(オールインワン)」がデフォルトで選択されていますので、変更の必要はありません。
VPSにMT4をインストール
海外FXではWebブラウザ上での取引ではなく、MT4(メタトレーダー4)というFX取引ツールを用います。
有料VPSあるいはGemForexの無料VPSを申し込み、GemForexのMT4をインストールしましょう。
GemForexは50万円以上の入金でVPSを無料利用することができます。ただし、動作は不安定であるとの報告を受けています。有料VPSを年間契約すると約2万の費用がかかりますが、安定運用するためには必要なコストとして考えましょう。
#USDHKD
チャートは目まぐるしく動いてるけど、自動売買はうんともすんとも言わずw約定一切なし昨夜の急落でクラッシュしてもーたん??😅またアクセスできんのだが…アクセスできない=MT4も動かないってことなん?😩
ゲムさんとこのVPSどんだけ虚弱なんw😇 pic.twitter.com/aVn1Lo2m5E
— 投資馬(とうしば)@損切芸人🤮🌶商材屋ホイホイ (@1048nullpogot) March 4, 2020



VPSの準備が整ったら、GemForexのHPの最上部メニューに並ぶ「プラットフォーム」から、「PC対応MT4」を選択し、ダウンロード⇒インストールします。
千刻EAの購入をする
千刻EAはトラリピで有名となったグリッドトレード(リピート系)と呼ばれる等間隔の値幅でポジションを取る手法を簡単に取り入れられるEAです。
当初、手動で設定することも考えましたが、作業量が膨大なこと、画面に張り付けないことからEAの力を借りることにしました。
価格は22,000円(税込み)と決して安くはありませんが、このUSD/HKDの取引だけでもニクの設定であれば短期間で元が取れること、また戦略さえ編み出せれば他の通貨ペアの取引にも活かせるので、先行投資と思うことにしました。
千刻EAのパラメーター設定
下記はMT4上で行う千刻EAの設定画面「パラメーターの入力」です。
設定すべき項目は以下となります。
xAuthKey | シリアルナンバーを入力 |
xMagicNumber | 変更不要(※注意) |
xMagicNumberSub | 変更不要 |
xFontColor | チャート上に表示される文字色を指定 |
xAllowSpread | -1 |
xSlippage | 20 |
xTradeComment | 無記入 |
xBuyOpenMode | NORMAL_OPEN |
xBuyCloseMode | TRAIL_CLOSE |
xBuyLots | 0.1 |
xBuyStepLots | 0.0 |
xBuyMaxPrice | 7.84 |
xBuyMinPrice | 7.75 |
xBuyProfitTakePrice | 0.0 |
xBuyLossCutPrice | 7.74 |
xBuyIntervalPips | 5 |
xBuyProfitPips | 40 |
xBuyStoplpssPips | 0 |
xBuyOpenStopPips | 0 |
xBuyCloseTrailStartPips | 13 |
xBuyCloseTrailStepPips | 1 |
xBuyAllowPosion | 0 |
xBuySummarizeMode | NOT_SUMMARIZE |
xSellOpenMode | NORMAL_OPEN |
xSellCloseMode | TRAIL_CLOSE |
xSellLots | 0.1 |
xSellStepLots | 0.0 |
xSellMaxPrice | 7.85 |
xSellMinPrice | 7.76 |
xSellProfitTakePrice | 0.0 |
xSellLossCutPrice | 7.86 |
xSellIntervalPips | 5 |
xSellProfitPips | 40 |
xSellStoplossPips | 0 |
xSellOpenStopPips | 0 |
xSellCloseTrailStartPips | 13 |
xSellCloseTrailStepPips | 1 |
xSellAllowPosition | 0 |
xSellSummarizeMode | NOT_SUMMARIZE |



xMagicNumberはUSD/HKDのみを取引する場合、デフォルト値の1000を変更する必要はありません。他の通貨ペアも運用する場合、千刻EAが誤認識するため、USD/HKDは1000、USD/JPYは2000というようにxMagicNumberの値を変える必要があります。
取引実績
2020/1/21に取引を開始しました。月ごとに利益と含み損(末日基準)を記載しています。
年月 | 累計利益 | 単月利益 | 含み損 |
2020年1月 | 10,181円 | 10,181円 | -20,263円 |
2020年2月 | 36,935円 | 26,754円 | -73,297円 |
2020年3月 | 129,494円 | 92,559円 | -82,909円 |
3月に米国が利下げしたため、香港ドルが買われる事態に。このことで7.75の下限に張り付く状態が発生しています。いつか動き出すまでこのまま放置です。
この投資方法のメリット
- レバレッジ1,000倍で運用できる
- ゼロカットの仕組みで借金の心配は無用
- ボーナスを使って運用できる
レバレッジ1,000倍で運用できる
国内FXはレバレッジ25倍ですが、GemForexはレバレッジ1,000倍。
つまり、1/40の資金で同じ投資法が運用できるということになります。
また、レバレッジが高いことでロスカットされる危険性も減ります。
ゼロカットの仕組みで借金の心配は無用
相場は読めません。経済的な打撃や災害で時には大きく変動します。
そんな時、国内FXでは追証により追加資金が発生したり借金を背負う恐れがありますが、海外FX特有の仕組み「ゼロカット」で原資以上のお金を失うことはありません。
ゼロカットとは、口座残高がマイナスになってしまった時、その損失分を海外FX業者が補填してくれることで口座残高を0にしてくれる海外FX特有の仕組みです。
ボーナスを使って運用できる
GemForexには二つのボーナスがあります。
- 口座開設で1万円 or 2万円のボーナス付与(期間限定キャンペーン)
- 入金額の100%以上のボーナス(当選形式)
上記のボーナスを活かすことで入金を抑えて取引を行うことが可能です。
入金ボーナスは当選形式ですが最大200%ボーナスがあるので、口座開設後200%ボーナス当選を待って入金するのもありですね。
当選すると当選者であることを知らせてくれるメールが届きます。基本的に当日限りなので、メールを確認したら、すぐに入金してボーナスを獲得しましょう。



運用する上で気を付けること
この投資方法はGemForex特有のルールを気にしつつ、運用を行う必要があります。
- 残高2万ドル以上でレバレッジが500倍に下がる
- ポジション保有中に出金できない
- 出金を行うとすべての口座のボーナスが抹消される
残高2万ドル以上でレバレッジが500倍に下がる
GemForexは残高2万ドルまでレバレッジ1,000倍、残高2万ドル以上はレバレッジ500倍となります。(ボーナスは残高には含めません)
レバレッジが1,000倍から500倍に切り替わると、証拠金維持率が急激に悪化しロスカットの危険性が増します。2万ドルを超える前に出金するようにしましょう。
ポジション保有中に出金できない
他社ではポジション保有中に出金できることが多いのですが、GemForexでは出金できません。
2万ドルに達しないよう出金する際にはポジションをすべて決済する必要がありますが、この投資方法は両建てなので多くのポジションを抱えます。
来月出金すると決めたら、一度新規買い・売りを停止(xBuyOpenModeとxSellOpenModeをNOT_OPENに変更)し、保有しているポジションが掃ける期間を設けることで損切りを少なくすることが可能です。
出金を行うとすべての口座のボーナスが抹消される
GemForexでは200%ボーナスキャンペーンを行うなど、ボーナスの付与は他社と比較しても豪華です。
しかし、出金を行うと付与されたボーナスは抹消されます。
入金額にボーナスを含めた総額で運用するロット数を決めている場合は要注意です。
出金するとボーナスが無くなってしまうことを把握して、証拠金維持率の低下によるロスカットは避けましょう。
この投資方法を止めるべき時
この投資方法は下記2つの条件をクリアすることで成り立っています。
この条件が崩れたら、撤退しましょう。
- USD/HKDがペッグ通貨ではなくなった時
- GemForexのスワップが片方でマイナススワップに変更となった時
特に『USD/HKDがペッグ通貨ではなくなった時』は重要です。
②のマイナススワップに変更となった場合にポジションを大量に保有している場合、即撤退するよりは新規買い・新規売りを停止し、保有中のポジションが自然に利確されるのを暫く待った方が損失を膨らまさないケースもあります。
ただし、①については絶対条件です。ペッグ制が崩れた時は相場を読む力が必要になってしまうため、完全放置することはできません。
ペッグ制が廃止された場合は、ニクは即時撤退予定です。
ドルペッグ制廃止への対策
この投資方法において、最も恐ろしいのがドルペッグ制廃止です。
ドルペッグ制が廃止されれば、この両建て方法も一瞬でロスカットとなってしまうことが予想されます。スイスフランショックの二の舞だけは避けたいところです(^^;
そこでドルペッグ制廃止に向けて対策を打っておくことをおすすめします。
ドルペッグ制廃止となった時にUSD/HKDはどのように動くでしょうか?
ドルが買われ香港ドルが売られることが予測されるため、値は上がり続けるはずです。
そのため、取れる対策は千刻EAで自動的に増える売り建玉とおおよそ同じロット数の買い建玉を手動で入れておくこととなります。
この買い建玉により、急なドルペッグ制廃止が生じてもロングは利益に、ショートはロスカット値で損切りとなるため、損失を被ることはありません。(ロスカット値が大きく滑ることが想像できますが、ロングポジションがあるので怖くない)
むしろ手動で保有しているロングポジションが大きな利益に変わってくれることでしょう。



運用開始までのサポート



コメント
コメント一覧 (10件)
素晴らしいアイデアですね!情報発信ありがとうございます!
ちなみになのですが、千刻みEAを回す理由はなんでしょうか?
両建てなのですから、売ったり買ったりなどせずに、普通に持っていればOKな気がしたのですが、教えて頂けませんでしょうか?
普通に持つということはスワップポイント目的の投資手法になるかと思います。
GemForexはロングでもショートでもプラススワップですが、スワップそのものは決して高くないためスワップ目的の投資には向きません。
そのため、この投資方法は「スワップを気にすることなく差益で利益を出す」という投資方法です。
有難う御座います。
ちなみに、100万円で上記シミュレートした結果、具体的にいくら利益出た感じでした?
バックテストの結果を画像で貼っていますので、最大ドローダウンなどの詳しい情報はそちらをご覧になられてください。
私は実際にはまだ手仕舞っていないので、2万ドル上限に差し掛かった時の引き際の上手さで利益額は変わるものと思っています。バックテストでは損切りなしだと最大67万、すべて損切りして手仕舞う場合は最小20万という結果になっています。
その時の相場によって対処方法は変わると思いますので、その辺りの状況が出ましたら追記させていただきます。
私もとりあえず口座開設しました。コロナショックでかなりやられて、まだ入金原資を工面できてないのが辛いところです。まさか生活資金は回せませんし。
ところでこのバックテストは100万円で1年間の成果でしょうか?
トライオートFXなどと同じで、含み損を出しながら増えて行くのでしょうが、どれくらいの期間で含み損を利益が上回りますかね?
こんばんは。コロナショックで損失出した方、多いようですね(^^;
年内にボチボチ取り戻していきましょう。
バックテストは2017年1月1日~2019年12月31日までの指定で行ったものです。グリッドトレードですのでトライオートFXやトラリピなどと同じく含み損を出しながら増えていきますが、マイナススワップがないおかげで保有しているだけで損失が増えていくことはありません。
また、記事に取引実績を載せていますが3か月目にはすでに含み損<累計利益が実現できています。
もう一つ教えて下さい。今の大変動時期はかなり決済されるので利益が増えると思いますが、長期チャートを見ると、2012年から2017年にはほとんど変動がありません。
このようなときはスワップだけとなりますよね。
そのようなときは入金額を大きくしてわずかな値動きでも決済されるようにする予定でしょうか?
つまらない質問でごめんなさい。
長期チャートを見ると、2017年以前は下にベタづいていますね。
変動が少ない時期は利確幅を縮めることで1回の約定金額は小さいものの、十分に利益が獲れると思います。(実際に運用開始後の相場状況に合わせて利確幅はこまめに見直しています)
また、入金額は2万ドル上限の壁があるので200%ボーナスキャンペーン当選しての入金においても100万程度が望ましいです。この条件だと300万円の運用資金で大きなロット数を回せますので、どんなに値動きが少なくても一定以上の利益は出るものと思います。
なるほど!やはり完全にほったらかしだけではだめなんですね。
あとはなんとか資金を捻出しないといけませんが、ダウと日経、週明けに上がってくれたら利確して回すんですけどね。
利益の大小を気になさらない場合は特に変更は不要かと思います。
ただただ通貨の流れに身を任せる形でもそれなりの利益は出るかと(^^)/
運用資金はロットを0.01lotにすれば20万、注文間隔を50pipsにすれば10万、ロット0.01+注文間隔10pipsにすれば5万程度で運用が可能ですよ。